鉄路探訪 特別編「青春18きっぷ鈍行旅行記2004・往路編」 はじめに(筆者追記)
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特別編

はじめに(追記)

 この記事は、2004(平成16)年に、筆者が青春18きっぷを利用して、東京(川崎)から大阪を往復したことを基に執筆したものです。特に、JR西日本の関西圏、通称「アーバンネットワーク」における新快速などの高速運転については、執筆当時はダイヤ上の余裕時分については通常の設定と解し、安全確保が行われた上での設定速度であると解釈していました。
 しかしながら、2005(平成17)年4月。福知山線において、尊い106名の人名が失われ、562名の方が負傷する痛ましい脱線事故が発生しました。この事故の要因には、JR西日本の安全軽視の体質や、競合他社よりも速く走らせ、ひいてはより多くの乗客を確保することを目的とした余裕時分のないダイヤ設定や、保安装置などの設備投資を怠り、乗務員に対して必要以上の重圧をかけるなど、人命を預かる鉄道事業者にはあってはならないことによるものと指摘されています。
 この記事では、そうした事情が露見する前に執筆されたもので、記事の表現も、あたかも高速運転を賞賛するような記述が散見されます。事故後、この記事におけるこうした表現箇所を訂正することを検討しましたが、当時の記事表現をできるだけ生かしながら、必要最小限の加除訂正をすることにしました。
 事故に遭われた方や、関係者の方々が読まれたら不快な思いをされることを充分承知しておりますが、何とぞこうした事情をご賢察いただき、了承いただければ筆者としては幸いです。

 鉄道職員として僅かな年数ではあるものの、保安設備関係の業務に従事した筆者にとって、鉄道の安全輸送は今も変わらぬ願いであり、今後もその願いは変わることはありません。どうか、これからの未来においても、このような事故を二度と起こさないよう、そして安全綱領に「安全の確保は輸送の生命である」と謳われているように、とにもかくにも安全を最優先とした輸送に徹していただくよう、鉄道事業者とその関係者にはお願いをするばかりです。

 末筆になりましたが、事故でお亡くなりになった106名の乗客の方々のご冥福をお祈りするとともに、負傷された562名の方の身体面、精神面の両面に渡って一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。また、犠牲となられた方のご遺族、負傷された方のご家族、そして関係する皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

※ここでは、お亡くなりになった方の数を、あえて106名と表記しました。運転士は鉄道従事者であり、いかなる理由があっても安全の確保を最優先する立場にあり、業務に就いていたことから殉職者と考え、犠牲となった方々と敢えて区別しました。

2010年10月 筆者追記
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