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国鉄クハ111形直流制御車
JNR Type "KUHA"111 Control car
クハ111-1426[千マリ] 2006.8.15 千葉駅
▲クハ111-1426[千マリ] 千葉駅 2006年8月15日
■クハ111形(1340〜)
 かつては、全国で活躍し見かけることの多かった国鉄近郊形電車だが、老朽化の進行や、設備の陳腐化、運用コストの軽減化などにより新型車両に置き換えが進んでいる。特に、かつては近郊形電車の牙城とも思えた東海会社管内は、2007年のダイヤ改正によって在籍していた113系、115系が一掃されてしまうなど、ここ数年で急速に淘汰が進行しているのが現状だ。もちろん、電力を多く使う抵抗制御の重い鋼製車体をもつこれらの車両は、今日のVVVF制御で軽量のステンレス車体をもつ経済車両に比べれば、淘汰の対象になっていくのは時代の流れ、致し方のないことなのだが、それでも寂しい気がする。
 写真のクハ111は、房総地区で最後の活躍をする一両だ。かつては、横須賀線・総武快速線の「顔」としてグリーン車2両を含む15両という長大編成を組んでいた雄も、いまとなっては風前の灯火となってしまった。2009年より京浜東北線を去った209系の一部を改造した車両への置き換えが始まり、東日本管内でも全廃が現実味を帯びてきた。「スカ色」と呼ばれる青色とクリーム色の塗装が施された113系も、全国では房総地区で活躍する車両のみになってしまった。
 クハ111形1000番台は、大別すると2つのタイプに分けられる。写真は1000'番台とも呼ばれ、SM分離に伴う横須賀線・総武快速線の直通運転に備えて増備されたグループである。品川−錦糸町間が長大な地下トンネルとなることに合わせて、当時の運輸省による地下鉄車両用のA−A規準に準拠し、113系に難燃化対策を施したものである。そして、この地下線区間をATC(列車自動制御装置)による保安システムを採用したことにより、ATC機器室の設置によるマイナーチェンジを行った。
 外観は大きな変化はないが、運転助士席直後にATC機器室を設けたために、窓割りが変わり、大きめの戸袋窓一枚とり小窓が廃止された。車内の割り付けもこの部分を中心に変更がされているほか、製造当初よりユニットサッシを採用、保守の省力化がされている。また、初期の製造車は冷房準備工事が施され、また後期には製造当初よりAU75集中冷房装置による冷房化が施されるなど、サービス改善も行われている。冷房準備工事車、冷房化車ともに客室内の扇風機は廃止されている。
 筆者もこのスカ色113系は馴染みが深く、子どもの頃の「小旅行」から成人して「通勤」に至るまで本当にお世話になった。特に、通勤の際には夜遅くに帰宅するために、疲れた体をボックスシートに納めてうつらうつらとしながら、夜の街を眺めては旅行気分を味わいつつ、疲れを癒したものである。E217系の増備が一気に進んで、あっという間に追いやられたのがなんとも残念である。
 筆者もこのスカ色113系は馴染みが深く、子どもの頃の「小旅行」から成人して「通勤」に至るまで本当にお世話になった。特に、通勤の際には夜遅くに帰宅するために、疲れた体をボックスシートに納めてうつらうつらとしながら、夜の街を眺めては旅行気分を味わいつつ、疲れを癒したものである。E217系の増備が一気に進んで、あっという間に追いやられたのがなんとも残念である。
 写真のクハ111-1426は、撮影当時は幕張車両センターに配置され、外房線・内房線などの房総ローカル運用を中心に活躍していた。数少ない未更新車で、比較的原形を保っていた1両だったが、この写真を撮影した直後の2006年9月に廃車となった。
▲クハ111-1606[千マリ] 千葉駅 2006年8月15日
■クハ111形(1601〜1606)
 横須賀線総武快速線で運用される113系電車は、品川駅−錦糸町駅間にある長大な東京トンネルという地下区間を走行するために、運輸省の制定した地下線運転車両のA-A基準と呼ばれる仕様で製造された1000番台が投入されていた。これは車両自体を難燃化し、電気配線には不燃性・難燃性の材料を使用するなど、厳しい防火対策を求めたものであった。国鉄は既にこの区間は地下区間を走行することが決定したいたため、113系電車もこの仕様に沿って製造したが、このうち初期車については非冷房で、かつその後必須となったATCを装備していないことから地上線用として運用し、代わりに製造当初からAU75形集中式冷房装置を搭載し、保安設備としてATCを装備した後期車をこの区間で運用していた。しかし、元々の設計が0番台のものであり座席間隔(シートピッチ)が狭いなど居住性はそのままであった。一方、地上線用には1978年から座席間隔を従来の1420mmから1490mmに拡大して居住性を改善した2000番台を製造、順次老朽車を置き換えていった。これに合わせるように、1979年から増備分として製造された地下仕様車についても2000番台と同等の設計となり、新たに1500番台として区分された。
 外観は2000番台のTc車と同じく座席間隔の拡大により窓割が変更になった。助士席後部にはATC機器室が設置されたため、非公式側の乗務員扉直後にそのスペースとなる部分は窓がない。また、前面の警笛器は1000番台では貫通扉脇の下部に設置されていたのが、1500番台では2000番台と同様に前照灯内側に設置された。但し、2000番台と比べると若干高い位置になっているのが特徴である。なお、1600番台はTc車の偶数向き車でTc'車であるが便所はそのまま設置されている。
 1979年の製造以来、横須賀線総武快速線で使用され、1987年の国鉄分割民営化によりJR東日本に継承。引き続き同線で運用されたが、後継となるE217系電車の増備により活動の場を千葉駅始発の房総各線へと移した。しかし、製造から30年以上が経過したことや、鋼製車のため車両重量が重く、かつ抵抗制御式など運用コストがかかることなどから、ステンレス車体の211系電車、更には京浜東北線から転用・改造された209系2000番台、2100番台に置き換えられ、2011年8月に全車廃車、区分消滅した。
▲クハ111-2157[千マリ] 千葉駅 2006年8月15日
■クハ111形(2145〜)
 1978年から製造されたシートピッチ改善車である2000番台の奇数向き制御車(Tc車)である。従来車からの主な変更点は、クロスシート部の座席間隔(シートピッチ)を1,420mmから1,490mmに拡大したことと、座席幅を880mmから965mm拡大したことである。これにより、ボックスシート着席時の座り心地が改善された。一方で、座席間隔と座席幅の拡大により着席定員は60名に減っている。本グループでは、先頭に連結される制御車を、偶数向きでは2000番台、奇数向きでは2100番台と区分しており、前者には便所が設置されているが2100番台では省略されている。しかし、2157以降は便所が設置されるようになり、両者の違いは空気圧縮機(CP)の有無ぐらいになった。
 写真のクハ111-2145は、製造当初は国府津電車区に配置され、湘南色で東海道本線東京口の普通列車に使用されたが、後継となるE231系に置換となり幕張車両センターに配置転換し、横須賀色に変更して房総各線の普通列車に使用されていた頃の姿である。2010年2月に廃車となった。
▲クハ111-2207[静シス] 沼津駅 2006年4月1日
■クハ111形(2201〜)
 JR東海に継承された111系は、使用線区の輸送量など実態に合わせ、6両編成(Tc+M+M'+M+M'+Tc1)で組成されていた編成を3両編成(Mc+M'+Tc1)に組み直すことになった。奇数寄りの先頭車は制御電動車とし、モハ113形を先頭車化改造することによって賄われることとなったが、偶数寄りの先頭車は制御車(Tc1)となるため、従来奇数寄りに連結されていた制御車(Tc)を方向転換する改造を行うことになった。これが2200番台に区分されるグループである。改造は車間渡りのみの改造で、これ以外に大きな変更はない。JR東海の113系は2007年3月のダイヤ改正までに全車が運用を終了。区分消滅した。
▲クハ111-7707[近キト] 京都駅 2012年8月6日
■クハ111形(7707,7708)
 国鉄からJR西日本が継承した113系電車は、1987年の民営化直後は初期車である0番台、暖地向けシートピッチ改善車の2000番台、湖西線用として耐寒仕様の700番台とそのシートピッチ改善車である2700番台の4区分であった。しかし、後にアーバンネットワークと称する京阪神地区の運転速度引き上げによる速達性の向上として221系電車が投入されたが、大量の113系電車すべてをこれで置き換えることは、財務基盤が他のJR本州二社と比べて脆弱なために非常に困難であったために、既存の113系電車を使用線区のニーズに合わせて種々の改造を行った。そのため、一部からは「魔改造」などと呼ばれる特異な改造を施した車両もあり、その番台区分は非常に複雑となってしまっている。
 この7707と7708もその一つで、もともとは国鉄が製造したシートピッチ改善車の2000番台であった。
 前述の通り東海道・山陽線の運転速度引き上げに伴い、この区間で運用する113系電車の最高速度を100km/hから110km/hに対応する改造を1991年から施工。この改造を受けた車両には原番号に5000を加算し区分した。2000番台についても実施され、7000番台へと改番されている。さらに2002年に京都総合運転所で運用する耐寒耐雪仕様車が不足することから、網干電車区に配置されていた体質改善工事の施工済みの車両をこの仕様に改造する工事を施工、こうして7700番台に編入されたのがこの2両である。改造後も比較的原型を留めているが、前面の警笛器にカバーを追加、客扉の半自動化により開閉ボタンが設置されている。2002年に2両(7707,7708)が、2003年にはさらに2両(7709,7710)の計4両が改造され編入されている。
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