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国鉄205系 直流通勤形電車
JNR Type 205 DC Commuter Electric Car
▲山手線で活躍していた頃の205系電車(ヤテ56編成 クハ205-56)。この写真を撮影してから約1年後に武蔵野線へと転出した。 2004年8月27日 品川
 直流通勤形電車として、国鉄は103系を長期にわたり製造し続けてきた。制御装置は構造が簡単で整備も容易な抵抗制御であったが、制動時には発電ブレーキとして不要になった電気エネルギーは熱として放出していたため、省エネという観点からはほど遠いものであった。オイルショック以後、省エネが盛んに推進されるようになってからは、国鉄でも省エネ性に優れた車両を開発する必要が迫られ、電機子チョッパ制御の201系、203系を開発するに至った。
 しかし、電機子チョッパ制御は当時のパワーエレクトロニクス技術では限界があり、製造コストが非常に高価となってしまうなど、当時の国鉄の財政状況では103系のように大量生産をするわけにはいかず、201系を中央快速線と中央緩行線の一部、関西圏の東海道線に配置したのみで終わり、203系に至っては営団地下鉄(当時)千代田線と直通する常磐緩行線に投入したのみで終わってしまった。
 そこで、省エネ性と製造コストの軽減の両立を目指して開発されたのが205系である。従来の国鉄車両は普通鋼製であったが、本系列は初めてオールステンレス製となった。これは、ステンレス製車両は車体重量が従来の普通鋼製に比べて軽量化でき、さらにステンレス製とすることで車体の塗装を省略できるなど、保守面でもコスト軽減がはかれるためであった。
 一方、技術面でも新機軸を積極的に導入していった。制御装置は新たに開発された界磁添加励磁制御となった。この制御方式は、従来の抵抗制御の延長線上にある方式だが、電力回生ブレーキの使用が可能になり、構造や保守が簡便であるととも製造コストも安価であるなど、経済性にも優れているものとなった。また、国鉄車両として初めてボルスタレス台車を採用するなど、車両全体の重量も従来の車両に比べて大幅に軽減し、運用コストも軽減が可能になった。
 年より先行量産車が山手線に投入され、続いて量産車が順次投入された。先行量産車は客室窓が従来の二段窓だが、量産車からは車体がステンレスになったことで雨水による腐食の心配がなくなったことで、同時期に製造されていた私鉄車両と同様に一段降下窓となり、山手線の103系をすべて置き換えた。
 さらに、民営化後も引き続きJR東日本が基本番台を増備、こちらは側扉の窓を103系とほぼ同じ寸法に改めたほか、先頭車正面に列車種別表示用の方向幕を設置した。京浜東北線、横浜線、埼京線、京葉線、武蔵野線、南武線の各線に配置し、首都圏通勤各線で運用し一大勢力を築くに至るものの、浦和配置車は209系に統一する方針のために早々に転出した。また、山手線をE231系500番台への置き換えに伴い、首都圏各線に転出。一部が廃車された他は先頭車化改造を施すなどして、仙石線や八高線、鶴見線にも進出している。
 一方、JR西日本においても改良型の1000番台を増備。正面の窓見附を運転席側を小さくし、助士席側を拡大するなど客室からの前面展望に配慮したデザインに改め、阪和線に配置した。

■サハ204形直流付随車
 205系の付随車(T')。ラッシュ時の混雑に対応するため、通勤形電車として初めて客用扉を片側6か所にし、混雑時には座席を折り畳んで定員増加をすることで混雑緩和をねらった。JR東日本にのみ存在する形式。後に横浜線用に100番台を増備している。
■サハ205形直流付随車
 205系の付随車(T)。国鉄が205系新製時に設定された形式で、他の中間車と同じ車体をもつ。
■クハ204形直流制御車
 205系の偶数向き制御車(Tc')。
■クハ205形直流制御車
 205系の奇数向き制御車(Tc)。
■モハ204形直流電動車
 モハ205形またはクモハ205形とユニットを組む電動車(M')。電動発電機と空気圧縮機などの補機類を搭載する。一部は電動発電機未搭載の車両がある。一部は制御装置をVVVFインバータ式に換装している。
■モハ205形直流電動車
 モハ204形またはクモハ204形とユニットを組む電動車(M)。パンタグラフと主制御器などを搭載する。モハ204形と同様に、一部は制御装置をVVVFインバータ式に換装している。
■クモハ204形直流制御電動車
 鶴見線と南武線浜川崎支線(南武支線)で使用されていた101系電車および103系電車置換用として、JR東日本がモハ204形を先頭車化改造して設定された制御電動車(Mc')。1000番台と1100番台のみがある。
■クモハ205形直流制御電動車
 南武線浜川崎支線(南武支線)で使用されていた101系電車の老朽置換用として、JR東日本がモハ205形を先頭車化改造して設定された制御電動車(Mc)。1000番台のみがある。
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