このサイトについて 「筆者」への連絡
国鉄781系交流特急形電車
JNR Type 781 Electric Car
▲北海道の厳しい気候に対応するために、徹底的な耐寒耐雪設備をもつ特殊仕様である781系電車。1978年に製造されて以来、長きにわたって札幌近郊区間の電車特急として活躍を続けてきた。しかし、製造から40年近くが経つことと、厳しい気候に晒され続けて来たため老朽化が進行し、後継となる785系電車や789系1000番台の増備によって姿を消した。写真は最後の活躍をする781系4連。札幌駅を旭川に向けて発車していった。(2005年5月29日 札幌駅)
 函館本線の札幌近郊区間は交流電化により、711系電車を投入して電車運転が開始され、急行「かむい」や急行「さちかぜ」に使用された。特に後者は札幌−旭川間ノンストップで連絡する列車で好評であった。この結果を受けて、国鉄は北海道における初の電車特急を運行することを計画、485系電車を北海道向けの耐寒耐雪仕様にした1500番台を投入した。これは、711系電車に使用されていた機器に、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が使われていたが、これに毒性があることが判明し、711系電車を基にした特急電車の開発が頓挫したことや、利用者と北海道総局が電車特急の運転に期待を寄せていたことによる措置であった。
 しかし、もともと本州での使用することが前提であり、耐寒耐雪仕様にしているとはいえ、北海道と本州の雪質が異なることにより、特に冬季にトラブルが頻発して、最悪は運休になることも多かった。これは、北海道の雪が粉雪ということに起因するもので、客用扉の凍結による動作不良や、電装品の可動部に進入して融解したものが絶縁不良や動作不良を起こすというものであった。
 そこで、711系電車と同様の恒久的な耐雪対策を施して北海道の厳しい気候に適応させた特急用電車として、1978年から設計・製造されたのが781系電車である。
 基本的な車体構造は485系電車とほぼ同じであるが、車内の保温性を高めるために窓は小型化し、主電動機冷却用の風洞と断熱材の空間を確保する構造は、711系電車と同じである。また、先頭車両は冬季の着雪を防ぐために丸みを帯び、運転台屋根上に設置される前照灯は2灯となったほか、着雪による灯火類が見えなくなることを防止するため露出形となった。電動車には雪切り室を設置し、主電動機への雪の侵入を防ぐとともに、主制御器にはサイリスタ位相制御式として無接点化と可動部をなくしている。また、国鉄電車としては電動車ユニット式(MM')ではなく、電動車・付随車ユニット式として集電装置や主整流器、主変圧器を付随車に搭載した。このほか、高速域からの制動によるブレーキ摩耗を軽減するために発電ブレーキを装備し、ブレーキ専用の抵抗器を屋根上に搭載している。また、ベンチレーターはなく代わりに新鮮外気導入装置による強制換気式にしたほか、空調装置は集中式のAU78形を採用している。
 1978年に試作車が、1980年から量産車が製造され、全車が札幌運転所に配置され、函館本線札幌近郊区間の特急「いしかり」として運転された。分割民営化によりJR北海道に継承されたが、引き続き札幌近郊の特急列車に使用され、特急「ライラック」「ホワイトアロー」や快速「エアポート」として運転された。1992年には客用扉増設工事を施工、この他特急列車の運転増に対応するため先頭車化改造や外部塗色の変更などが行われた。
 長年、北海道の電車特急の象徴として活躍してきたが、老朽化による本系列の後継として789系1000番台が増備と、785系電車の配置転換などにより、2007年に全車が廃車となり、廃系列となった。

■クモハ781形交流制御電動車
 制御電動車(Mc)でサハ780形とユニットを組む。主制御器、電動発電機、空気圧縮機を搭載している。
■モハ781形交流電動車
 中間電動車(M)で、サハ780形またはクハ780形とユニットを組む。クモハ781形と同様に主制御器などを搭載する。
■クハ780形交流制御車
 制御車(TAc')でモハ781形とユニットを組む。電動車ではないが屋上に集電装置を装備するほか、主変圧器と主整流器などの電装品を装備している。
■サハ780形交流付随車
 付随車(TA)で、クモハ781形またはモハ780形とユニットを組む。クハ780形と同様に集電装置と主変圧器、主整流器を装備している。

広告
P R
(C)2004-2014 Norichika Watanabe Allright Reserved.