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JR貨物EF200形直流電気機関車
JR Freight EF200 Electric Locomotive
▲真夏の京都駅を通過するEF200-4。定格出力6,000kWという驚異的な性能をもつ機関車として製造されたが、その高出力故に地上変電設備が追いつかず、架線の電圧降下を頻発させてしまうという弱点を抱え、結局本来の性能を発揮する機会は潰えてしまった。それでも、その余裕ある性能から東海道・・山陽線系統の高速貨物列車に重点的に使用されている。現在では塗色も替えられ、オリジナルのカラーは見ることができなくなった。(2004年月9日 京都駅)
■JR貨物EF200形電気機関車
 国鉄の分割民営化により、JR貨物は多数の電気機関車やディーゼル機関車を継承した。しかし、それらの多くは製造から少なくとも10年近くが経ち、いずれは置換をしなくてはならなかった。また、この頃は好景気による貨物輸送量は増加しており、輸送力増強も大きな課題となっていた。これに対応するために、国鉄時代に設計されたEF66形電気機関車やEF81形電気機関車を、一部改設計して増備したが、これと並行して急激に進歩したパワーエレクトロニクスの新機軸を導入した新型電気機関車を開発することになった。これが、EF200形である。
 EF200形は日本の電気機関車としては初めて、可変電圧可変周波数(VVVF)インバータ制御方式を導入し、主電動機に三相交流誘導電動機を採用した。この当時、電車では私鉄を中心に高性能かつ経済性に優れたVVVFインバータ制御方式の導入が進められていたが、電車と比べて強大な出力を必要とする電気機関車では初の試みで、まず1990年に試作機1両が製造され新鶴見機関区に配置となり、各種試験が始められた。
 EF200形は1600tもの重量のある貨物列車の牽引を想定して、定格出力6000kWという世界に類を見ない性能をもつことになった。これは、JR貨物が旅客会社の線路を借りて貨物列車を運行する第2種鉄道事業者であり、列車の運行ダイヤの編成は旅客会社が主体となっていて、貨物の輸送量が増加したからといって、簡単には貨物列車を増発できない事情があったためといえる。限られた貨物列車のダイヤで、より多くの貨物を輸送するためには、1列車あたりの連結両数を増やすことで対応しようというものであった。
 1990年に試作車が落成し、新鶴見機関区に配置されて各種試験を行った。しかし、6,000kWの出力を出すことで架線の電圧降下を招くことや、制御機器の発する誘導障害など技術的な課題が多く、量産車は1994年から製造されたが、景気の後退による需要の低下などから20両が製造されるに留まった。後に、JR貨物の直流電気機関車は、性能や製造コストを適正化したEF210形にシフトしたが、数々の新機軸を導入しこれら新型機の基礎を築いた機関車であるといえる。
 制御装置はGTOサイリスタ素子を使用したVVVFインバータ制御方式で、主電動機は定格出力1,000kWのFMT2形・三相交流誘導電動機を6基搭載。台車は電気機関車としては初めてのボルスタレス式台車を装備し、集電装置も製造当時としては珍しいシングルアーム式パンタグラフを装備した。また、ブレーキも電気機関車としては初の電気指令式自動空気ブレーキを採用するなど、数々の新機軸が採用されている。大型2枚窓の非貫通の前面で、高運転台のくの字型になるデザインとなった。また、運転台部分と機関室部分がモジュールとなって分かれているようなデザインで、落成当初はこの「区切り」となるところは黒色に塗装されていた。側面は左右非対称となり、通路側には採光用の窓が並んでいるが、機器側はルーバーが並んでいる。
 試作車、量産車ともに新鶴見機関区に配置され、東海道・山陽線系統の貨物列車に使用されていたが、後に全車吹田機関区に配置転換となった。吹田配置後も同様に東海道・山陽線系統の貨物列車に使用されている。しかし、1号機が2008年に大規模な故障により運用を離脱し、2011年にはEF200形で初めての廃車となった。
■0番台
 1994年から試作車による試験結果を受けて量産が始められたグループ。基本的な仕様は試作車とほぼ同じであるが、制御装置の小型化により機器室容積が若干縮小されている。このため、試作車では取付屋根が高かったのに対し、量産車では低く抑えられている。また、運転室の屋根も水平になるなど変化している。全部で20両が製造され、新鶴見機関区に配置されて東海道・山陽線系統の貨物列車に使用されていたが、後に吹田機関区に配置転換されている。2008年に1号機が故障により運用離脱し、広島車両所に保管されていたが2011年に廃車されている。
EF200-4[吹] 1994年・新鶴見機関区新製配置
EF200-10[吹] 1994年・新鶴見機関区新製配置

■900番台
 1990年に製造された試作車。日本の電気機関車としては初めてVVVFインバータ制御方式を採用し、数々の新機軸を導入して、それまでの国鉄形電気機関車とは性能・デザインともに一線を画するものとなった。この数多くの新機軸導入のため、新鶴見機関区に配置されて各種試験に供されているが、技術的な課題が多く4年近く試験が行われている。このため、量産車の製造開始までは定期運用をもたなかったが、1994年から量産車が製造されたことにより、漸く貨物列車牽引の運用に就くことになった。後に、量産車とともに吹田機関区に配置転換となったが、その後も東海道・山陽線系統の貨物列車に使用されている。
EF200-901[吹] 1990年・新鶴見機関区新製配置
形式車番の横[ ]で括られた文字は、撮影当時の所属区所を表しています。
[吹]吹田機関区
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