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国鉄EF60形 直流電気機関車
JNR Type EF60 Electric Locomotive
EF60 63[沼] 1983.8 新鶴見機関区
▲EF60 63[沼] 1983年8月 新鶴見機関区
 写真はかなり荒く、色彩も褪せている感が拭えない古いものだが、筆者が小学生の頃に新鶴見機関区にでかけて撮影したものなのでご勘弁いただきたい。この頃の国鉄は赤字続きで、連日のニュースでは分割民営化を匂わせるような報道がされていたが、この時代は小学生一人で機関区のような危険な場所に出かけても、撮影したい旨を申し出れば、来訪者名簿に氏名を記入さえすれば助役の案内つきでのんびりと撮影できたものだった。いまでは到底考えられないことだが、この時代には許されたものだった。
 写真のEF60 63は、沼津区所属の機関車で、恐らく貨物列車を牽いて東海道を上ってきて、新鶴見で折り返しのひとときを過ごしていたものと思われる。この頃の貨物列車は「ヤード輸送方式」と呼ばれる操車場で貨車の連結解放と組成を繰り返す輸送方式で、隣接する新鶴見操車場には多くの仕分線があり、ここにで全国から集まった貨車が行き先別に組成し直されて、各地に向けて発車していっていた。EF60形も貨物列車の牽引という地味な仕事ではあるが、この頃はまだ活躍の場が多かった。
 EF60形は新性能電気機関車として先に投入されたED60形をベースに、より強力な機関車として6軸駆動(F形)として設計されたものである。これは、EH10形が8軸駆動でありながら電動機出力が2530kwで、ED60形に搭載されたMT49形電動機を用いて6軸駆動にすれば2340kwになり、EH10形より小型でかつほぼ同等の性能をもたせることが可能で、東海道・山陽の高速貨物列車の牽引が可能であるという発想から開発された。
 また、EF60形は一次形はクイル式駆動という新機軸を採用して製造されたが、構造上の欠点から故障が多発し二次形以降は釣掛式駆動に戻された。外観は以後の新性能直流電機に共通する非貫通箱形車体で、前面窓は長い2面としナンバープレートには銀色の飾り帯がつけられている。前照灯は白熱灯1灯式で、正面中央部のちょうど「おでこ」のあたりに大きな円形のライトが特徴。側面もほぼ正方形に近い鎧窓と採光用のガラス窓を組み合わせたもので、旧型電機のデザインをほぼ受け継いでいる。後に登場する3次形以降は、EF65形とほぼ同一のデザインになったので、この二次形はEF60形の特徴を多くもっていると言える。
 その後の貨物列車の輸送方式の変更と、老朽化により徐々に姿を消していき、イベント用として東日本会社に継承された19号機以外は継承されず廃車となった。この63号機も1985年に廃車となっている。
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