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国鉄EF64形直流電気機関車/(EF64 60)
JNR and JR Type EF64 Electric Locomotive
▲EF64 60[愛] 2014年8月1日 愛知機関区
 筆者が鉄道員時代に現場で設備の保守作業などをしていると、ひときわ賑やかなブロアー音を轟かせてくる機関車があった。その音が聞こえてくれば重連の「山男」の登場だとばかりに視線を向けたものである。それだけ、この機関車には迫力というものがあったように思う。
 迫力といえば、電気区派出に勤務していた時代には、八王子駅が管轄に入っていたのでよく出かけたものだが、昼の休憩時間は八王子機関区の機関庫の一角にある詰所で過ごしたのだが、この詰所に行くためには機関庫の中を通らなければならなかった。その機関庫に入ると、やはり山男の頼もしい姿が見られた。ブロアー音もなく、屋根の下で静かに出番を待つその姿は、出番となるその時に備えて何か瞑想しているようにも感じた。EF64形という機関車は、私にとってそういう機関車だった。
 首都圏からその姿を消してから随分と時が経ってしまった。今では後継のEH200形が活躍しているが、この機関車にEF64形のような勇ましさを感じないの気のせいだろうか。
 その好きなEF64形と、この夏、再会することができた。
 場所は稲沢駅。そこに隣接する愛知機関区の構内だった。しかし、そこに集う機関車たちはどこか様子が違う。極寒地仕様のDD51形といい、色褪せたようにも感じるDE10形といい、これではまるで機関車の墓場ではないかと訝りもした。EF64形の全般検査の標記を見ると「20-1 大宮車」とある。検査期限はまだ残ってはいたが、中央本線を走行するのに必要なATS-PFを装備していない。それどころか、所属を示す区名札すら取り外されていた。休車とは聞こえがいいが、廃車となり解体されるのを待っているようなその姿は、かつての勇姿からは想像できない寂しさを感じた。ただ、その姿を消す前に会えたのは、私にとっては幸運だったのかもしれない。

 EF64 60は1973年3月に第4次車の一員として川崎重工で落成、長野運転所に新製配置された。同年中に篠ノ井機関区に配置転換、主に中央本線の貨物列車に使用された。1987年の国鉄分割民営化でJR貨物に継承されたが、所属は篠ノ井機関区のままだった。長らく篠ノ井機関区→篠ノ井総合鉄道部に配置されていたが、2004年にJR貨物の組織変更により塩尻機関区篠ノ井派出所属となる。2008年に35年間過ごした篠ノ井をあとにし愛知機関区に配置転換となる。これはJR貨物に所属するすべてのEF64形を愛知機関区に集中配置するためであった。一種休車を経て再度活躍するも、2013年に故障が発生し2014年8月現在休車状態にある。
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