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国鉄DE10形ディーゼル機関車
JNR DE10 Deisel Locomotive
▲DE10 1749[新] 2010年10月8日 新鶴見機関区
 それまで支線運転用や入換用として製造されたDD13形ディーゼル機関車は、改良型である111号機以降でも500PSの出力をもつDMF31SBエンジンを2基搭載し、それなりの性能をもつものとして多用されていたが、軸重が14tと重いために規格が低い路線へ乗り入れができず、規模の大きな操車場では出力が不足し、さらには客車列車牽引に際しては蒸気発生装置(SG)を持たないために冬季の暖房ができないなど、使いづらい面も持ち合わせていた。
 そこで多目的に運用できる中型ディーゼル機関車として、1966年から製造されたのがDE10形である。
 エンジンはDD51形用として開発されたDML61系エンジンを改良したDML61Z(1250ps)を一基搭載、大規模操車場での入換運用にも十分対応できる出力を確保し、支線区運用で課題となっていた軸重についても動軸数を5軸とすることで、軸重を13t級に抑えた。また、蒸気発生装置も搭載したことで客車への暖房供給も可能になるなど、設計・開発の目的であった万能機としての性能をもたせることができた。
 外観はDD51形のような均等の取れた凸型ではなく、運転台を挟むボンネットがそれぞれ長さの違うセミ・センターキャブとなった。これは、DD51形とは違いエンジンが一基搭載になったことによるものである。長い方である一次側にDML61Zエンジンを搭載し、短い方である二次側には軽油燃焼の蒸気発生装置をしている。台車も3軸+2軸という特徴をもち、特に3軸台車であるDT132形は曲線通過時におけるレールに対する負荷(線路横圧)を軽減させるために、リンクされた連接構造となっている。
 運転台も入換運用時に機関士が、首を動かすだけで運転方向を変えることができるよう、線路に対して並行になる配置となっていて、すべてのタイプに渡って重連総括制御装置を備えている。
 1966年の製造開始から708両が製造され、国内どこでも見かけることのできる代表的なディーゼル機関車となった。また、派生形として入換専用として軸重を14tにし、蒸気発生装置を省略したDE11形や、除雪兼用形としたDE15形が製造された。
 国鉄の分割民営化により、500番台を除く各形がJR各社に継承された。中でもJR貨物への継承は最も多く、一部が廃車されたものの現在でも多くが在籍している。また、一部はエンジンを除く老朽した部品を交換するなどの更新工事を受けているものもある。

■0番台
 1966年から製造されたグループ。機関出力1250PSのDML61ZAを1基搭載し、客車列車を牽引することを想定して蒸気発生装置(SG)を2位側ボンネット内に搭載している。総数155両が製造されたが、民営化後のJRには機関出力増強形の1000・1500番台が継承されることになり、基本番台は1987年までにすべて廃車となりJR線上では区分消滅した。なお、148号機が国鉄清算事業団から西濃鉄道に譲渡され、2013年現在も使用されているほか、1号機がJR四国多度津工場に静態保存されているのを始め、数量が保存されている。
DE10 30[五]※ 国鉄標準色 1968年・釧路機関区新製配置 、1987年廃車(五稜郭機関区)
■500番台
 基本構造は0番台と同じとし、客車列車の牽引を考慮せず、構内入換と貨物列車牽引の運用を想定して暖房用の蒸気発生装置を省略したグループである。蒸気発生装置を省略したため、2位側ボンネット内には死重となるコンクリートブロックを搭載し、蒸気発生装置用の水タンクも省略した。エンジンは0番台と同じく出力1250PSのDML61ZAを装備する。1968年から74両が製造されたが、国鉄の分割民営化までに全車が廃車になり区分消滅した。なお、廃車後に一部は国鉄清算事業団から私鉄が購入、現在も使用されている。また、503号機は小樽市の小樽市総合博物館に静態保存されている。
DE10 503[鷲]※ 国鉄標準色 1969年・函館機関区新製配置 、1987年廃車(鷲別機関区)
DE10 553[品]※ 国鉄標準色 1969年・高松運転所新製配置 、1987年廃車(品川機関区)

■1000番台
 1969年から製造された出力増強形のグループである。0番台(基本番台)のエンジンが出力1250PSのDML61ZAを装備していたが、1350PSのDML61ZBへと変更した。エンジンの変更以外には大きな変更はなく、重連総括制御装置や蒸気発生装置(SG)も装備している。製造途中(1153〜)で台車の構造を簡略化したDT141に変更、さらに1188以降は運転室扇風機を天井に設置したため、運転室屋根に扇風機カバーが出ている。全部で210両が製造された。
DE10 1007[吹] 国鉄標準色 1970年・長野運転所新製配置 1987年廃車(吹田機関区)
DE10 1101[新] 国鉄標準色 1971年・福知山機関区新製配置
1987年・JR貨物に継承(品川)
DE10 1189[新] 貨物更新色(赤) 1972年・熊本機関区新製配置 1987年・JR貨物に継承

■1500番台
 客車暖房用のSG(蒸気発生装置)を省略した500番台に、1000番台と同様にエンジンを出力増強形のDML61ZBに変更した区分である。1970年から1978年にかけて265両が製造され、DE10形では最も多く造られた。1000番台と同様に3軸台車の構造を簡略化したDT141を1550号機から装備し、1569号機からは運転室扇風機を天井設置としたために運転室屋根に突起がある。この他にも製造時期により若干の変更がなされ、外観も細部に違いがある。
DE10 1554[新] 旧九州色 1972年・香椎機関区新製配置 1987年JR貨物に継承(品川機関区)
DE10 1556[新] 旧九州色 1971年・門司機関区新製配置 1987年・JR貨物に継承
DE10 1686[宇] 国鉄標準色 1975年・新庄機関区新製配置 1987年・JR東日本に継承
DE10 1691[函] 国鉄標準色 1975年・帯広運転区新製配置 1987年・JR北海道に継承
DE10 1749[新] 貨物更新色(赤) 1975年・水戸機関区新製配置 1987年・JR貨物に継承
形式車番の横[ ]で括られた文字は、撮影当時の所属区所を表しています。※印のあるものは廃車時点での所属。
[函]函館運輸所 [宇]宇都宮運転所 [新]新鶴見機関区川崎派出 [鷲]鷲別機関区 [吹]吹田機関区 [品]品川機関区
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