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JR北海道キハ141系気動車
Hokkaido Railway Company Type Kiha-141 Deisel Car
▲前日まで降り積もった雪が残る札幌駅に進入してくるキハ143形気動車。余剰となった客車を気動車化改造によって登場したが、主な活躍の場である札沼線の電化工事が進むにつれ今後の動向が気になるところである。(2011年11月23日 札幌駅)
 動力を機関車に頼る客車は、製造コストこそ電車や気動車に比べて安いものの、運用ともなると折返し駅での機関車の機廻しが生じて効率的でなくなり、同時に運用コストも電車や気動車に比べて高くなってしまう。特に、短区間で高頻度に運転がされる路線においては、動力集中式の客車列車よりも、折返しが容易でより運用コスト優れた動力分散式の電車や気動車が重宝する。そして、我が国の鉄道旅客輸送は、一部の夜行列車を除いてほとんどが電車や気動車による運転となっている。
 旅客列車の電車化や気動車化によって余剰となった客車に、エンジンを装備して気動車化改造をするという発想は1950年代からあり、鋼体化客車である60系客車に、当時の気動車の標準的エンジンであったDMH17形を装備し、必要最低限の改造によって登場したキハ08形とキハ09形があるが、元来が重く頑丈な客車に出力180PS/1,500rpmという非力なエンジンを装備したため、走行性能は決してよいものではなく、数量が改造されるに留まった。これらは、全車が北海道の苗穂工場で改造され、北海道内で使用されたがその走行性能故に、結局は他系列の気動車と併結することが常態となって、結局のところはその期待とは裏腹に、扱いにくい試作車の域を出ることはなかった。これ以後、客車を気動車化するという発想はなくなり、気動車の需要も満たされ供給が追いつくようになると、既に過去のものとなっていった。
 余剰客車を気動車化しようという発想が再燃したのは、JR移行後のことである。JR北海道は、分割民営化によって大量の50系51形客車を継承・保有していた。当初は函館本線の札幌近郊で、ED76形500番台電気機関車などの牽引による普通列車などに使用されたが、721系電車の増備により札幌近郊区間の電車化を推進。これによって、車齢がまだ若い50系51形客車が余剰となり、これを活用して気動車化改造によって、非電化路線であるものの札幌近郊区間にあり、輸送量が増加しつつあった札沼線の輸送力増強を目的として、1990年に登場したのがキハ141系である。
 種車は主に車掌室のある緩急車オハフ51形である。オハフ51形は、車掌室が車両両端にあり、電車などのように乗務員室扉を備えた構造のため、改造が容易となった。また、鉄道用ディーゼルエンジンの技術的進歩により、小型で出力の大きい新世代エンジンが登場していたこともあり、キハ141系には250PSのDMF13HS(キハ143形はN-DMF13HZD,450PS)を装備することにより、種車が軽量であったことも相まって、客車改造気動車として最多の44両が改造され、唯一の成功例となった。
 現在も全車が苗穂運転所に配置となり、主に札沼線(札幌−北海道医療大学間)の普通列車で使用されているほか、臨時や団体列車などでは他線区で、事業用列車に使用される際には道内各地で運転される。

■キハ141形
 1990年にオハフ51形客車を改造して製作された、駆動用機関1基を搭載する、トイレ付き方運転台車。札幌方に連結される。
■キハ142形
 キハ141形と同時にオハフ51形客車を改造して製作された、駆動用機関2基を搭載する、トイレなし方運転台車。キハ141形とペアを組み、石狩当別方に連結される。
■キハ143形
 1994年からキハ141形およびキハ142形の増備用として製作された。エンジン出力を高出力形とし、ボルスタレス式空気ばね台車を装備するなど走行性能を改善している。
■キサハ144形
 キハ143形と組んで使用される、走行用エンジンをもたない付随気動車。

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