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国鉄キハ40系気動車
JNR Type KIHA-40 Deisel Car
▲地方非電化路線における気動車の輸送改善と老朽取替を目的に製造されたキハ40系は、北海道から九州に至るまで全国に配置され、「見かけないところはない」といっていいほど最も一般的な気動車となった。民営化後も、それぞれの会社や地方の事情に合わせた改良を続け、現在もない多数が活躍している。(2007年10月8日 香椎線和白駅)
 国鉄の非電化区間の無煙化を推進した立役者であるキハ10系気動車は、昭和50年代に入ると老朽化が進み、同時に当時新製されていた電車などと比べると、接客設備などの面で陳腐化が目立っていた。そこで、これらの旧式化した気動車を置き換え、各地の気動車の近代化とサービス改善を進めるために登場したのがキハ40系気動車である。
 従来のキハ10系気動車は、機関出力が160PSのDMH17Bを搭載しているために、電車と同じ構造の車体を載せることが困難であった。このため、車体はできる限り軽量化するため、鋼板プレス材を多用しており、車体断面についても2600mm幅と客車や電車に比べて小さくいなど、既に普通列車用として数多く使用されていたキハ20系と比べても、性能面、接客面ともに劣るものとなってしまっていた。
 キハ40系では、これらの点を改善した新型近郊形気動車として設計、されている。
 性能的には 新設計のDMF15HSA機関を1台搭載し、機関自体の出力はそれまでのDMF17に比べて220PSと向上した。車体についても、置き換え対称となったキハ10系が2600mm幅であったのに対し、車体幅2900mmと急行形気動車並みとなり居住性を改善している。また、前面形状は踏切における衝突事故対策として、キハ66系と同じく高運転台化、運転士の視界に配慮したパノラミックウィンドウとなった。
 しかし、一方では安全対策などで車体重量が嵩むという結果になり、搭載エンジンの出力とも相俟って、走行性能はそれまでの一般型気動車と同じ程度に留まってしまっている。また、新型近郊形気動車として、居住性は電車に近づいたものの、冷房装置の設置はおろか冷房化準備工事も見送られた。
 両運転台のキハ40形、方運転台デッキなしのキハ47形、方運転台デッキ付キハ48形を合わせて888両が製造され、国鉄気動車においては一大勢力をもつにいたり全国に配置され活躍した。国鉄分割民営化によってすべての旅客会社に継承され、一部は機関交換による性能向上や冷房化施工を受け、今なお多数がローカル線の普通列車などに使用されている。

■キハ40形
 本系列の基幹となる、両運転台仕様の形式である。
 エンジンはDMF15HSA1基を搭載し、車両の両端にデッキを備えた客用側扉を設けている。新製時より全車にトイレが設置されているが、製造当初は汚物処理装置などは設置されていなかったが、将来の搭載を考慮して搭載スペースは確保されていた。また、トイレ用の水タンクは屋上に設置、タンクはFRP製となった。客室内はドア付近をロングシートとしたセミクロスシートで、シートピッチは1470mmと急行形気動車並みとなっている。
国鉄新造車 ■100番台  北海道で使用することを前提とした、酷寒地仕様のグループである。他の形式の気動車と同様に、冬季の車内保温を厳重にするために、側窓は小型の一段上昇式の二重窓となっている。大きく分けて前期形と後期形のグループに分けることができ、1977年から製造された前期形は、ペデスタル式空気ばねのDT44/TR227を採用した。
 後期形のグループは、基本的な構造は前期形とほぼ同じであるが、外気導入ルーバーや前部スカートなど暖地仕様の2000番台と同一のものにしたほか、台車を円筒案内式空気ばね台車のDT44A/TR227Aに変更している。150両が製造され、民営化により全車がJR北海道に継承されたが、その後ワンマン対応の700番台に改造され1995年に区分消滅した。
■500番台  主に東北地方などで使用することを前提とした、寒冷地仕様のグループである。車体構造はデッキ付きで、側窓は上段下降、下段上昇のユニットサッシとなっている他は、先に製造された100番台とほぼ同じである。台車は初期形は100番台と同じペデスタル式空気バネ台車のDT44/TR227を採用。後期形は円筒案内式空気ばね台車のDT44A/TR227Aに変更された。
 94両が製造され、民営化により主にJR東日本に継承されたが、初期形については廃車が進んでいるほか、後期形についても後継車両の登場により淘汰が進んでいる。
■2000番台 温暖地域で使用することを前提とした一般仕様車である。車体構造は500番台とほぼ同じで、側窓は上段下降、下段上昇式のユニットサッシを装備している。客用扉部のデッキは省略されているため、トイレは客室内に出入口がある。
 台車は酷寒地仕様、寒冷地仕様車とは異なり、金属ばねを使用したDT22D/TR51Cを装備している。148両が製造され、1983年に集中豪雨による事故で廃車になった1両を除いて、民営化によりJR北海道を除く各車に継承された。
北海道 ■300番台  札沼線の列車増発に対応するために、キハ40形700番台を再改造したグループ。札幌都市圏内を走る札沼線の事情に合わせた改造を施された。
■330番台  急行用としてキハ40形を種車に改造したキハ400形を、急行廃止による余剰によりキハ40形へ再改造したグループ
■400番台  JR北海道が、札沼線(学園都市線)の石狩当別−新十津川間のワンマン化と老朽取替を目的に、700番台を再改造したグループ。
■700番台  JR北海道に在籍する、酷寒地仕様の100番台にワンマン運転対応改造を施工したグループ。

■キハ47形
 ラッシュ時の客扱い能力を向上させるために、1300mm幅の両開き扉を車体中央寄りに配置した「近郊形」の構造をもつ。方運転台車で、基本性能はキハ40形に準じているが、関東以西及び新潟地区での運用を前提として製造されたため、北海道向けの酷寒地仕様車はない。
国鉄新造車 ■0番台
■1000番台
 温暖地での使用を前提とした一般仕様車で、金属ばね台車のDT22D/TR51Cを装備する。また、トイレが設置されているため、屋上には水タンクが設置されている。1000番台は0番台からトイレを省略したグループである。
■500番台
■1500番台
 新潟地区での使用を前提とした寒冷地仕様のグループである。台車はキハ40形の寒冷地仕様車と同じ空気ばね台車のDT44A/TR227Aを装備する。500番台はトイレが設置され、1500番台はトイレが省略されている。
 製造当初は新潟地区で使用されていたが、その後新潟地区のローカル線の電化に伴い、四国や山陽、九州に配転となった車両もある。
九州 ■8000番台  JR九州が、1999年からエンジン換装による高出力化改造を受けたグループ。
■キハ147形  JR九州がキハ47形をベースに、高出力のエンジンに換装する改造を施工したグループ。通常は車番の変更により区分するが、この形式は形式を変更することにより区分変更している。当初は新潟鐵工所製DMF13HZA(360PS/2,000rpm)と神鋼造機製DMF14HZ(360PS/2,000rpm)を試用していたが、1991年以降に改造された車両と神鋼造機製エンジンを搭載した車両にはコマツ製SA6D125-HD1 (360PS/2,000rpm)を搭載している。冷房化改造やベンチレーターの撤去工事を受けている以外、外観や接客設備に変更はない。

■キハ48形
 キハ40系の寒冷地及び酷寒地向け片運転台車として設計・製造された形式である。構造はキハ40形を片運転台とした構造で、客用扉は片開きドアを車端部に設けている。また、寒冷地及び酷寒地で使用することを前提としているため、デッキ仕切がどの区分にも設けられている。従って、暖地向け仕様は当形式では存在しない。
 エンジンはDMF15HSA(出力220PS)を搭載。1エンジン・1軸駆動車で、番台区分により異なるが、空気ばね式台車のDT44/DT44A・TR227/TR227Aまたはコイルばね式のDT22D・TR51Cを装備する。全部で76両が製造されたが、これはキハ40系の3形式の中で最も少ない。全車が民営化によりJR各社に継承され、後に各会社の地域事情に合わせた改造が施されている車両もある。
国鉄新造車 ■300番台
■1300番台
 北海道で使用されることを前提とした酷寒地仕様車である。台車は空気バネ式のDT44/TR227を装備している。客室の保温性向上のため、側窓はすべて小型の一段上昇式二重窓としている。300番台はトイレ付き、1300番台はトイレを省略している。北海道の輸送単位として、方運転台車を2両連結して運用するのは効率が悪く使いづらいことから、300番台は4両、1300番台は3両が製造されるに留まった。300番台の304と1300番台3両は後に急行列車用のキハ480形に改造され、1300番台については区分消滅している。
■500番台
■1500番台
 東北地区での使用を前提とした寒冷地仕様のグループである。台車はキハ40形の寒冷地仕様車と同じ空気ばね台車のDT44A/TR227Aを装備する。500番台はトイレが設置され、1500番台はトイレが省略されている。側窓は上段下降・下段上昇式ユニットサッシとしている点では、キハ40形と同じである。
 キハ48形では最も多く製造された区分で、500番台は59両、1500番台は50両と合わせて109両が製造された。主にJR東日本とJR東海に継承された。
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