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国鉄ホキ800形貨車
JNR Type "HOKI-8000" Freight Car
▲八王子駅に留置されるホキ800形貨車。国鉄時代は局名標記が大きかったが「E」の標記に代わっている。(2014年9月14日 八王子駅)
 貨車と一言でくくると「貨物を運ぶための車両」だが、その種類は非常に多岐に渡るのご存知の方も多いだろう。現在では見ることができなくなった有蓋車や無蓋車を基本に、液体貨物を運ぶためのタンク車、粉体などをバラ積み輸送するホッパ車、コンテナを積載するコンテナ車が2016年現在多くが活躍している。
 この営業用の貨車のほかに、事業用の貨車が存在する。事業用の貨車というとあまりピンとこないかもしれないが、要は自社の営業に供さない車両のこと。貨車でありながら、貨車を主体に運用をするJR貨物には1両もなく、旅客会社に多くが所属するという変わり種が事業用貨車である。
 筆者も鉄道員時代に、一度だけかかわったことがある。それは、管轄する駅構内の道床整備で、砕石交換があり施設の先輩が砕石を手配していた。それを運んでくるのが、このホキ800形で東京近郊では主に中央本線の初狩駅から発想されてくる。その初狩駅、構内にある貨物側線はJR貨物の管轄。しかも、筆者が所属した保全区の管轄だった。しかし、JR貨物にはこの砕石輸送用のホッパ車、ホキ800形は1両も持っていない。そこで、ホキ800形を保有する旅客会社に依頼をして、初狩駅から旅客会社の機関車に牽かれ、工事臨時列車として運んでもらってくるという珍現象が起きた。
 それにしても砕石を満載したホキ800形が、低速で走行しながら砕石を線路にバラ撒く姿を見てみたかったものだが、筆者の作業スケジュールが会わず残念ながら見ることはできなかった。

 ホキ800形貨車は、線路を構成する砕石(バラスト)輸送用の貨車として製作された、30t積みホッパ車である。1957年に製作されたホキ700形は、軌道の片側のみに散布可能な構造であった。これは、ホキ700形が試作的要素が多分にあったためだが、保線作業の効率化を企図した改良型として、1958年から製作されたのがホキ800形である。
 砕石の散布方向が、ホキ700形が軌道の外側1方向のみであったのに対し、ホキ800形は軌道の外側両方向または片方向、軌道の内側、軌道の外側の遠方に散布が可能になり、保線作業の効率が向上した。1974年までに1,066両が製作され、全国各地に配置され保線作業の効率化に寄与した。
 車体はホッパ部が無蓋構造であり、低速で走行しながら砕石を散布できるように、排出部は車体下部の両側へ広がるという、積載部は逆三角形、排出部は三角形を組み合わせた得意な形状となった。
 台車は初期に製作されたものが、当時貨車としては一般的なベッテンドルフ形のTR41であったが、後に後期に製作されたものは同じベッテンドルフ形であるが枕ばねをコイルばねに変更した改良型であるTR225になった。これは、デッキを500mm広げたためである。なお、車体長が12mを超えるため、特殊標記記号は「オ」を前置するほか、事業用貨車でありながら営業用貨車の形式を付与されたことも特筆される事柄である。
▲TR225形台車

 1987年の分割民営化により、本線をはじめ多くの軌道を維持管理する旅客会社に継承され、貨車でありながらJR貨物には継承されなかった。継承された車両は、保線・工事用に使用されているが、このうちJR東海、JR四国、JR九州に継承された車両は全車が廃車・除籍になり、これらの会社では廃形式になった、2016年現在、JR北海道、JR東日本、JR西日本に在籍している。また、一部の私鉄に譲渡されたり、私鉄によっては同一設計の車両を製作するなど、保線作業に欠かせない車両であることが窺える。
ホキ1832[八トタ 初狩駅常備](2014年9月14日 八王子駅)
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