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東京急行電鉄7200系電車
Tokyu Corporation Serease 7200 Electric Car
▲日本初のオールステンレスカーである7000系電車の地上線専用車としてモデルチェンジして登場した7200系電車は、「ダイヤモンドカット」と呼ばれる上下左右に「く」の字状に折り曲げられた独特なデザインが特徴的である。また、電動車はユニット方式ではなく1M式としたため、編成を組成する自由度が高くなり、最低2両編成から組めることで目蒲線・池上線でも旧性能車である3000系に混ざって活躍していた。こうした使い勝手のよさと、18m級という大きさが地方私鉄でも歓迎され、2013年現在も多くが第二の活躍を続けている。写真は目蒲線で営業運転をしていた頃の7200系電車(7251F×3)。多摩川園駅は名称も変わり、目蒲線自体が運転系統を分断されてしまっているので、このような光景は過去のものとなってしまった。(1987年頃 多摩川園駅)
 日本初のオールステンレスカーとして登場した7000形電車は、営団地下鉄(現東京地下鉄)日比谷線との相互乗入を前提として設計されたため、地下鉄線内での異常時と急勾配における性能確保をのため、全電動車方式となっていた。しかし、この性能をもつ7000系電車を地上線専用として使用するにはいささかオーバースペックであり、回生ブレーキを備えていても全電動車方式では経済的にも不利であった。そこで、田園都市線の溝の口−長津田間延伸に際しても増備が続けられていた7000系を地上線用にモデルチェンジして登場したのが7200系電車である。
 車体は7000系電車と同様にオールステンレス構造とし、車体長18m片側両開き3扉としている。地上線での運用を前提としているため、屋根構造は7000系電車と比べて高くなり、これを受けて丸みを帯びた形状となった。また、先頭車の前面は「ダイヤモンドカット」と呼ばれる「く」の字状に上下左右に折り曲げられた形状となり、無骨な7000系電車と比べて特徴のあるものとした。また、側窓は1段降下式窓を採用しスッキリとした印象となったほかは、車内の接客設備については7000系とほぼ同じとなっている。
 制御装置は抵抗制御式であるが、主電動機に直流復巻電動機を使用して、なおかつ界磁制御器を使用した回生ブレーキを装備している。この抵抗制御式と直流直巻電動機の組み合わせで、加速時及び減速時のモーター音は高音域で唸るような独特の音となった。また、7000系電車が全電動車式であるのに対し、7200系電車は地上線でのみの運用となることから、製作及び維持コストの削減のために、MT比を1:1としてより経済性をもたせている。このため、目蒲線や池上線では3両編成が基本となるのに合わせて1M方式としているのも7000系電車との大きな違いの一つである。
 台車は制御車であるクハ7200形が軸箱梁式のTS-707形(P-V 707)を装備している。これは、7000系電車で採用されたTS-701形を踏襲したものであるが、TS-701形ではディスクブレーキを軸箱外側に装着していたのに対し、TS-707形はブレーキディスクを内側に装着していることが外観上の大きな違いである。なお、制御車については後年、一部を電動車のTS-802形に準じたTS-823形に換装している。これは、TS-707形のを含むパイオニアV台車の特徴として、軸箱を支持するばねを省略した構造で軽量化が図られているが、これを起因とする乗り心地の悪さなど数々の問題を抱えていたため、電動車などで実績があり乗り心地もよいTS-823形へと換装された。電動車は主電動機の大型化により、枕ばねが電動車はダイレクトマウント空気ばね式で、軸箱はペデスタル式のTS-802形を装備している。
 製造当初は非冷房であったものの、製造途中から冷房準備工事車としてクーラーのキセのみを装備した車両も現れたため、一見すると冷房車に乗れると喜んだものの、実際に乗車してみると冷房装置がないために愕然とさせられたというエピソードもある。順次、分散式冷房装置を装備して冷房化された。また、冷房化とともに一部の車両には側面に電動式方向幕の設置も行われている。
 本系列は18m級地上線用として、1967年から1972年にかけて53両が製造され、前述の田園都市線をはじめ、東横線で使用された。両線がへ0m級大型車の導入が始まると、支線級である大井町線、目蒲線、池上線へと転用され、3両〜6両編成で使用された。1M方式であるために編成の自由度が高く、東急線内での転用も容易だったといえる。また抵抗制御方式という従来からの方式を採用していることが、後に地方私鉄でも容易に運用が可能であったこともあり、後継となる1000系電車の増備などにより余剰化すると、1993年に10両が同じ東急グループの上田交通へ移籍し、2000年に豊橋鉄道へ30両が譲渡され1800系として現在も使用されている。また、一部は制御装置をVVVFインバータ式に換装するなどの改造を受けて7600系電車となり、多摩川線と池上線で運用されている。
■デハ7200形制御電動車
■デハ7300形電動車
■デハ7400形電動車
■クハ7500形制御車
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